※正常稼働です
■キズ汚れ程度
風防:小(盤面色褪せ)
裏蓋:綺麗
ベゼル:綺麗
ベルト:新品社外品
カレンダー:早送り可能
セイコー キングクオーツ 5856-5000 の歴史
1. 誕生背景
1969年の クォーツ・アストロン(35SQ) 以降、セイコーはクォーツ技術を急速に普及させました。
1970年代半ば、機械式の キングセイコー の流れを汲み、高精度クォーツの中級〜高級ラインとして「キングクォーツ(King Quartz)」が登場。
その上位機種が グランドクォーツ、さらに精度を追求したのが クォーツ・スーペリア という位置づけでした。
2. キャリバー 5856
Cal.5856 は 1975年頃に登場した 年差±10秒 の高精度クォーツ。
これは デュアルクォーツ(Twin Quartz) 技術を搭載しており、温度補正機能を備えることで高精度を実現。
秒針規制(ハック機能)、クイックデイト機構を搭載。
当時のクォーツとしては最高水準のスペックでした。
3. デザイン(5856-5000)
ケース:ステンレススチール、直線的でエッジの効いた 70年代後半らしいトノーケース。
ダイヤル:シルバーまたはグレー系が多く、「SEIKO」「King Quartz」 のロゴ入り。
インデックス:立体的なバーインデックス。
裏蓋:中央に 王冠マーク(クラウンエンブレム) のメダリオンが付くのが特徴。
当時流行した重厚感のある一体型ブレス仕様も多い。
4. 系譜と位置づけ
キングクォーツは、グランドクォーツに次ぐ高級ラインであり、「実用的な最高級クォーツ」 という立ち位置でした。
5856はツインクォーツの代表格で、同時期の グランドクォーツ(4843/5855系) と並んで人気を博しました。
その後、さらに精度を高めた 年差±5秒のキャリバー 9943/9923(クォーツ・スーペリア系) へと発展していきます。
5. コレクション価値
5856-5000 は、セイコーのクォーツ技術が成熟した時期の代表的なモデル。
機械式の「キングセイコー」の精神を受け継ぎつつ、クォーツ時代に適応した一本。
王冠メダリオンが残存している個体は人気が高く、アンティーク市場でも評価が安定しています。
✅ まとめると:
セイコー キングクォーツ 5856-5000 は、1970年代後半に登場したツインクォーツ搭載の高精度クォーツで、「実用性の頂点」を象徴するモデルです。精度・デザインともに完成度が高く、機械式からクォーツへと移り変わる時代の“キングセイコー的存在”でした。