※稼働品ですが、動作時間は計測していません
■キズ汚れ程度
風防:小(盤面内汚れあり)
裏蓋:小(表彰記念刻印あり)
ベゼル:小
ベルト:新品社外品
カレンダー:早送り可能
キングセイコー ハイビート 5625-7000 の歴史
■ 登場時期
1969年頃発売
搭載ムーブメントは Cal.5625(自動巻き・25石・ハイビート 28,800振動・日付カレンダー付き・ハック機能あり)
「56KS」と呼ばれるシリーズの代表格で、キングセイコーの最終世代を象徴するモデルのひとつ。
■ 技術的背景
56KSシリーズ
開発は 諏訪精工舎(グランドセイコーを手掛けた工場)。
1960年代後半、セイコーはキングセイコーとグランドセイコーを高精度モデルとして展開。
その集大成として登場したのが 56系自動巻き(5625、5626など)。
Cal.5625 の特徴
自動巻き(双方向巻き上げ)+手巻き併用可能。
28,800振動のハイビート → 精度の安定性を重視。
秒針停止機能(ハック)を搭載。
日付早送り機能あり。
薄型設計で、当時のドレスウォッチ志向に合致。
■ デザインの特徴(7000ケース)
ケース番号 7000 は、直線的でシャープな多面カットを持つ「セイコースタイル」。
ケース径:約36mm、厚みは比較的薄型。
ドーム型風防。
裏蓋には「盾型のゴールドメダル」。
文字盤はシンプルなバーインデックスとドルフィン針を基調。
堅実でクラシカルな印象を持ち、同じ5625でも「7110」「7111」「7120」などとデザインが異なる。
■ 歴史的意義
キングセイコー最終期の基幹モデル
56KSは、キングセイコーの中で最も生産数が多く、ラインナップも豊富。
5625-7000はその初期を代表する一本で、普及と高精度を両立した実用高級機。
グランドセイコーとほぼ同格の精度
同時代の「56グランドセイコー」とほぼ同じムーブメント設計。
当時のセイコー内部でも、GSとKSの差別化は曖昧になりつつあった。
クォーツショック直前の名機
1969年にセイコーは世界初のクォーツ「アストロン」を発売。
5625-7000はその直後に登場したため、機械式高精度モデルとしては「最後の黄金期」を象徴する存在。
■ 現在の評価
56KSの中でも「7000ケース」は生産初期のため人気が高い。
裏蓋メダルが残っている個体は希少。
薄型+ハイビート+シンプルなセイコースタイルということで、ドレスウォッチ的に愛用するコレクターも多い。
一方で、56系ムーブメントは「切替車の摩耗(カレンダー機構の弱点)」が有名で、整備済みの個体を探すことが推奨される。
✅ まとめると:
「キングセイコー ハイビート 5625-7000」は1969年登場の56KS初期モデルであり、ハイビート自動巻き Cal.5625 を搭載した実用高級機。グランドセイコーと肩を並べる精度を誇り、クォーツ時代直前の「機械式最高峰の実用時計」として今も評価されています。