※正常稼働ですが、動作時間は計測していません
■キズ汚れ程度
風防:中(ガラス傷有)
裏蓋:小
ベゼル:小
ベルト:新品社外品
コマ:フリーサイズ
カレンダー:正常
キングセイコー ハイビート 4502-8010 の歴史
1. キングセイコーの系譜
キングセイコー(King Seiko) は、1950年代末に登場。
グランドセイコー(GS)が諏訪精工舎で作られたのに対し、キングセイコーは東京・亀戸の第二精工舎(後の亀戸工場)が担当。
両者は「どちらがより精度の高い高級機を作れるか」を競い合い、日本の腕時計技術を飛躍的に向上させる役割を担いました。
2. 45系ムーブメントの誕生
1968年、キングセイコーは 45系ハイビート(Cal.45xx) を発表。
手巻きで 毎時36,000振動 という高振動数を誇り、当時の世界的なハイビート競争の最先端に位置しました。
45KS は自動巻きの56系に比べるとより精度志向であり、「クロノメーター規格」に挑戦したモデルも存在します。
3. 4502-8010 の登場(1969〜1971年頃)
Ref.4502-8010 はその中でも特別な位置づけにあるモデル。
ムーブメント:Cal.4502A(手巻き・日付付き)
ケース:Cラインと呼ばれる曲線的なラグレスケース(“カメの甲羅”のような丸み)
ダイヤル:シルバーサンバースト仕上げに「CHRONOMETER」表記(初期は「SUPERIOR」表記あり)
日本国内で 公式にクロノメーター認定を受けた数少ないキングセイコー であり、国産時計史上も重要な存在。
4. クロノメーター表記の意味
1960年代後半、セイコーはスイスのクロノメーター検定に挑戦し始め、精度競争を国際レベルに広げました。
4502-8010 に刻まれた「CHRONOMETER」表記は、その高精度志向を象徴しています。
ただし1970年以降、日本国内で「クロノメーター表記」に関する規制が強まり、やがてこの表記は消えていきます。
5. 廃番とその後
1970年代前半、クォーツの台頭により機械式ハイビートの需要は急速に衰退。
キングセイコーも1975年前後には姿を消し、精度競争の系譜はグランドセイコーとクォーツに受け継がれました。
そのため 4502-8010 は短命ながらも「日本の機械式腕時計が世界水準を超えようとした象徴」 として、現在コレクターから高く評価されています。
まとめ
製造期間:1969〜1971年頃
位置づけ:キングセイコー最高峰のクロノメーター・ハイビートモデル
歴史的意義:
日本国内でクロノメーター認定を受けた数少ない国産時計
グランドセイコーと並ぶ「精度競争」の到達点
クォーツ時代直前の、機械式精度の頂点を示したモデル