※稼働品ですが、動作時間は計測していません
■キズ汚れ程度
風防:小
裏蓋:小
ベゼル:小
ベルト:小(フリーサイズ)
カレンダー:早送り不可
キングセイコー ハイビート 5625-7120 の歴史
■ 登場時期
1970年代前半(1972年頃)発売
搭載ムーブメントは Cal.5625(自動巻き・25石・ハイビート 28,800振動・日付カレンダー付き・ハック機能搭載)
キングセイコー最終世代「56KS」の一つで、7120ケースはやや後期のデザインに属します。
■ 技術的背景
56KSシリーズ(5621, 5625, 5626)
諏訪精工舎が開発。グランドセイコーとほぼ同等の設計思想を持つ。
28,800振動のハイビートにより精度安定性を確保。
秒針停止(ハック)、日付早送り機能搭載。
薄型設計で実用性が高い。
Cal.5625の特徴
デイト表示付きの自動巻きムーブメント。
グランドセイコー56GSとほぼ同仕様。
当時の公称精度は日差±10秒程度。
弱点としては「カレンダー切替車の摩耗」が有名で、現存個体は修理済みでないと不具合が出やすい。
■ デザイン(7120ケース)
7120ケースは、56KSの中でもシャープで直線的なデザインを持つ後期型。
ケース径:約36mm、薄型でスーツスタイルに合わせやすい。
ラグは短めで、全体に引き締まった現代的デザイン。
文字盤はシルバー系が多く、バーインデックス+ドルフィン針。
裏蓋には「盾型ゴールドメダル」。
■ 歴史的意義
キングセイコーの最終期モデル
5625-7120は「日付表示付き」の56KS後期モデルとして、キングセイコー終焉期を代表。
この世代を最後に、1975年頃にはキングセイコーのブランドは消滅。
グランドセイコーとほぼ同格
同じ56系を使った「56グランドセイコー」と技術的に大差はなく、ブランド表記のみが異なるレベル。
そのため「実質的にグランドセイコーと同等の精度を持つキングセイコー」として評価される。
クォーツショック時代の機械式高級機
1969年にクォーツ「アストロン」が登場し、機械式時計の需要は急速に縮小。
5625-7120は、その潮流の中で「機械式最後の輝き」を示す一本となった。
■ 現在の評価
56KSの後期デザイン(7120)は比較的流通数が少なめで、コレクターから一定の人気。
裏蓋のゴールドメダルが残っている個体は特に評価が高い。
GSよりも入手しやすい価格ながら、中身は同等クラスのため「コストパフォーマンスに優れたヴィンテージセイコー」とされる。
✅ まとめると:
「キングセイコー ハイビート 5625-7120」は1972年頃登場した56KS後期のデイトモデルで、ハイビート Cal.5625 を搭載し、グランドセイコーと同等の性能を持ちながら、キングセイコー最終期を彩った一本です。クォーツショック直前のセイコー機械式高級機として、今もコレクターから高く評価されています。