※稼働品ですが、動作時間は計測していません
■キズ汚れ程度
風防:小
裏蓋:小
ベゼル:小
ベルト:新品社外品
カレンダー:早送り可能
キングセイコー スペシャル 5256-8010 の歴史
■ 登場時期
1971年頃発売
搭載ムーブメントは Cal.5256(自動巻き、25石、ハイビート 28,800振動、デイデイト、ハック機能付き)
「キングセイコー スペシャル(KS Special)」は、従来のキングセイコーよりさらに高精度を追求したシリーズで、この 5256-8010 はその代表モデルのひとつです。
■ 技術的背景
52系ムーブメント(1970年代初頭)
開発は 第二精工舎(亀戸)。
薄型化と高振動(28,800振動/時)を両立した設計。
精度水準は「週間平均日差 ±3秒以内」という当時としては非常に高い規格。
「Special」は標準KSより厳しい規格で選別されたムーブメントにのみ与えられた称号。
Cal.5256の特徴
自動巻き + 手巻き併用可能。
秒針停止機能(ハック)。
デイデイト機構。
■ デザインの特徴
ケース番号 8010 は、直線的で多面カットを持つ「セイコースタイル」の典型。
ケースサイズ:約36mm前後。
ダイヤルはシンプルで上品、バーインデックスとドルフィン針。
裏蓋には「盾型メダル(金色)」が貼られた仕様。
「SPECIAL」の文字が文字盤に入り、通常のKSと区別。
■ 歴史的意義
キングセイコーの最終世代を象徴
52系は、56系と並び「キングセイコー最終期の主力ムーブメント」。
この後、セイコーはKSとGSの統合を進め、1975年以降はKSブランド自体が消滅。
精度基準の高さ
キングセイコー・スペシャルは、当時のグランドセイコー・スペシャルに迫る規格を誇った。
実用時計として「日差±3秒」というレベルは、クォーツ全盛期前夜の機械式時計として頂点に位置づけられる。
クォーツへの時代の転換点
1970年代前半、セイコーは世界初のクォーツ腕時計「アストロン(1969年)」をすでに発売。
5256-8010は、機械式の高精度を追求した「最後の輝き」のような存在。
■ 現在の評価
コレクターからは「KSの最終期 × Special規格」ということで人気が高い。
特に文字盤の美しい個体、裏蓋メダルの残存品は高値で取引される。
グランドセイコーに比べてまだ入手しやすい価格帯ながら、スペシャル仕様は希少性があり評価は上昇傾向。
✅ まとめると:
「キングセイコー スペシャル 5256-8010」は1971年頃登場したキングセイコー最終期の高精度機械式モデルで、±3秒規格を誇る Cal.5256 を搭載した実力派。クォーツ時代の到来直前に、セイコーが機械式で目指した最高峰のひとつです。