※正常稼働ですが、動作時間は計測していません。
■キズ汚れ程度
風防:小
裏蓋:綺麗
ベゼル:小
ベルト:小(社外品)
コマ:
カレンダー:早送り 日・不可、曜日・可
◆ 基本情報
モデル名:キングセイコー 5626-7120
製造年代:1970年代前半(1970~1974年頃)
ムーブメント:Cal.5626A(自動巻、ハイビート 28,800振動/時、デイデイト表示)
シリーズ:56KS(キングセイコー最終世代の自動巻シリーズ)
◆ 歴史的背景
56KSシリーズの登場
1968年に登場した 56系ムーブメント(5621, 5625, 5626)は、グランドセイコーとキングセイコー双方で採用。
これは「国産高精度機械式時計」の到達点の一つであり、グランドセイコー 56GS と兄弟機の関係にあります。
5626-7120の位置づけ
5626-7000 がシンプルなドレス系であったのに対し、7120はよりモダンなケースデザインを持ちます。
「-7110」「-7120」「-7130」など7000番台後半のモデル群は、1970年代初頭らしい角ばった“セイコースタイル”を発展させたケースで知られています。
当時はスイス高級機に真っ向勝負しており、国内外市場で「高精度かつデザイン性の高い国産高級機」として販売されました。
クォーツ時代との交錯
1969年にセイコーが「世界初のクォーツ腕時計 アストロン」を発表したことで、機械式高級機の需要は急減。
そのため、5626-7120を含む56KSは 短命ながらも完成度の高い“最後のキングセイコー” として位置づけられます。
◆ デザインと特徴
ケース:37mm前後、ステンレススチール
多面カットのシャープなケースライン(亀戸工場のデザイン)
裏蓋には「金色KSメダリオン」
文字盤:シルバー系、バーインデックス、デイデイト表示(曜日は日本語/英語切替)
リューズ:KS刻印付き
風防:ハードレックス(強化ガラス)
防水性:当時の表示は「防水」だが、現代ではほぼ非防水扱い
◆ 評価と現在の位置づけ
当時の定価は2~3万円台(グランドセイコーよりやや安価)。
精度はクロノメーター級を目指しており、日差±数秒を達成できた個体も多い。
現代の評価では:
「国産ヴィンテージ機械式の完成形」
シャープなケースと高振動ムーブメントが評価され、コレクター人気が高い。
一方で、日付早送り機構の弱さが弱点。修理・部品交換は難しく、慎重な操作と定期メンテナンスが推奨されます。
◆ 歴史的まとめ
キングセイコー 5626-7120 は、1970年代前半に登場した「56KS」シリーズの一角。
ハイビート・デイデイト機構を搭載し、実用性と高精度を両立したモデル。
グランドセイコーとほぼ同等の実力を持ちながら、やや手に届きやすい価格で販売。
クォーツショックにより短命だったが、「最後の本格的キングセイコー」として現在も高く評価されている。