※稼働品ですが、動作時間は計測していません
■キズ汚れ程度
風防:小
裏蓋:小
ベゼル:小
ベルト:小(社外品?)
カレンダー:
キングセイコー VANAC スペシャル 5256-6010 の歴史
登場背景
発売時期:1972年頃
製造元:第二精工舎(亀戸工場)
1970年代初頭、セイコーは高精度路線を進める「グランドセイコー」と並行して、デザイン性に富んだ高級ラインとして 「キングセイコー VANAC(バナック)」 を展開しました。
VANACは、従来のシンプルなドレス志向のKSに比べて、カットガラスや多彩な文字盤仕上げを採用し、ファッション性を強調したシリーズです。
種類:自動巻・ハイビート
振動数:28,800振動/時
石数:25石
機能:デイデイト表示・秒針規制・クイックチェンジ(早送り機構)
グレード:
「52系」は諏訪精工舎製。
「スペシャル」表記は通常品より高精度調整を受け、月差±3~5秒程度を狙った上位機。
グランドセイコーの52GS(5245, 5246)と同系統。
デザインと特徴
ケース:5256-6010は角ばったトノー型ケースを採用。
風防:特徴的な多面カットガラス(光の反射で文字盤が華やかに見える)
文字盤:カラーバリエーションが豊富(ブルー、グリーン、ワインレッド、シルバーなど)、放射仕上げやグラデーションが多い。
裏蓋:盾形の金色メダリオン(VANAC用デザイン)
インデックス:立体感あるカットインデックス、夜光なしのシャープなデザイン。
位置づけ
VANACは「ドレス寄りのKS」と「ラグジュアリー・ファッション寄りのモデル」との中間的存在。
同時期の「グランドセイコー スペシャル」がフォーマルに徹していたのに対し、VANAC スペシャルは遊び心と高精度を兼ね備えた異色の高級機。
当時のセイコー広告では「若いエグゼクティブ向け高級機」として打ち出されていました。
歴史的意義
5256-6010は、VANACシリーズの中でも代表的な「角型スペシャル」。
国産時計の中でもデザインが最も華やかだった時期のモデルで、クォーツ全盛期に向かう直前、機械式高級機の多彩な表現を体現しています。
近年ではコレクターの間で「VANAC スペシャル」は特に希少で人気が高く、グラデーション文字盤やカットガラスの美しさから再評価されています。
まとめると、
キングセイコー VANAC スペシャル 5256-6010は、1972年頃に登場した52系ハイビート自動巻を搭載した高精度モデル。カットガラスとカラフルな文字盤で個性を放つ、キングセイコーの中でも異色のラグジュアリーモデル といえます。