山上作水無瀬のとてもきれいな彫り駒です。

山上駒は、山形県天童市を中心に発展した将棋駒産業の一環として位置づけられ、その歴史は天童の将棋駒づくりの伝統と密接に結びついています。将棋駒づくりは江戸時代後期、天童織田藩が経済苦境を打開するために藩士の内職として奨励したことに始まり、その後明治以降に分業体制や機械化を経て全国一の将棋駒生産地へと成長しました。
山上作は普及型駒を中心に、多くの愛好家に手の届く高品質の駒を提供し続ける中で、将棋文化の裾野拡大に寄与してきました。山上の駒は単なる道具ではなく、木地の選別、文字の彫りや書き、漆の盛り上げといった伝統技術の結晶であり、日本の伝統工芸品としての文化的価値が高いものとされています。
天童市では将棋駒の伝統技術を保存・継承しつつ、地域活性化や将棋文化の普及に力を入れており、山上駒もこの文化の一翼を担っています。子ども将棋大会や人間将棋イベントを通じて、地域社会に将棋文化を根付かせる役割を果たしています。
つまり、山上駒の歴史的背景と文化的意義は、天童の伝統的な将棋駒産業の中での普及型駒としての役割、将棋愛好家へのアクセスしやすい駒の供給、そして地域文化の礎としての工芸的価値および文化継承にあります。将棋駒という小さな道具を通じて、日本の伝統芸術と将棋文化を支え、広く人々に親しまれる存在となっていることがその意義です

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