●朝倉尉
朝倉尉とは、観世流や宝生流で用いられる庶民の老人役の面。作者、福来がその仕えていた領主朝倉侯にこの面を献上したところから、それを記念して名付けられた尉の面だと言われています。福来は特に翁の面や尉の面の名人でした。この面は小尉にくらべると、頬骨がさらに突き出て、筋肉にもやや厚味が感じられます。そのうえ、上下のたくましい歯列や、髭が上唇・下唇・顎の三段ともに粗い植え毛があること、また口元にほのかな微笑をもっていることなどから、田夫野人らしい粗野な感じがします。したがって、神の化身である小尉にくらべると品格にやや欠けますが、親しみやすい庶民的な相貌の面ですから、武将が登場する修羅物や怪異の登場する切能物の前シテの老人に、最もふさわしいと言えましょう。
サイズ 縦 22cm 横 14.7cm
素人撮影のため光の加減で写真によっては色味が異なって見える場合がございますが、購入後、一切使用することなく暗所で保管していましたので、素人目ですが傷や汚れなどは見受けられない美品です。
また紐を通すところが擦れておりますがこれは使用されていた本物の証と思われます。
とはいえ、経年品ですので神経質な方はご遠慮いただき、それをご理解いただける方、よろしくお願いいたします。