この明治時代のオールド深川製磁の三つ揃いの鉢は、深川製磁の黎明期における格調高い美意識と職人技の粋を物語る逸品です。
まず最大の魅力は、深川ブルーと呼ばれる淡い藍色のグラデーションにあります。この色彩は、透き通るような透明感と上品な濃淡で器全体に深みを与え、そこに配された金彩の菊文様が見事に映えています。菊は古来より高貴や長寿を象徴する花であり、その一輪一輪が金と赤を巧みに用いて、花弁の立体感や繊細さを見事に表現しています。
また、器の内面に施された市松のような文様や、側面の優雅な筆致による絵付けも、絵画的な美しさを添えています。大小三つの鉢が揃っていることで、実用性と鑑賞性が両立され、格調ある食卓演出にも適した一組となっています。
注目すべきは高台裏の銘。「富士流水」マークが登場する以前の「深川製」単独銘は、創業初期（明治20年代前半）に用いられた希少なものであり、深川製磁の歴史的価値を物語る重要な手がかりです。この銘だけでも、収集家にとっては見逃せない要素です。
種類...磁器
種類...鉢
種類...小鉢
種類...中鉢
種類...大鉢
焼き物...伊万里焼・有田焼
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