虫明焼 岡部紫山作
徳利とぐい呑のセット
茶人に愛される飽きのこない色調の虫明焼。
その魅力は、やはり灰釉の持っているおとなしい飽きのこない色調です。お茶席などでの色々な取り合わせにおいて、この虫明焼はどの焼物にもしっくりと馴染みます。口縁の柔らかな作りは口当たりも良く、普段使いにぴったりです。また、一輪挿しにも良いかと思います。
虫明焼は、岡山藩筆頭家老伊木家の領地でお庭焼として生まれました。この伊木家の中でも14代伊木忠澄(号:三猿斎)という大茶人のもと京都の清風与平、楽長造、宮川香山(号:真葛)など当時の名工を招聘・指導し、虫明焼の作風は京の粟田風な薄作りの作風へと変わっていきました。まさに当時の大茶人、伊木三猿斎が虫明焼の中興の祖であり、茶陶窯として生まれました。
お茶席などでのいろいろな取り合わせで、しっくりとなじむやさしい色調を生み出しているのが、透明釉を基本とする灰釉全般や鉄釉、銅釉といった釉薬。酸化と還元を完全に分けない独自の焼成により現れる窯変は、深い味わいを楽しませてくれます。
徳利:径3.5〜8.5×高さ12cm 共箱あり
ぐい呑:径5.2×高さ4.8cm
飾り棚に飾っていましたので良い状態です。