昔の顕微鏡
千代田光学工業株式会社の大型顕微鏡「A型」です。
A型は研究用途の顕微鏡で「MKA型」の後継機種、千代田顕微鏡のフラッグシップモデルです。
SN. 33367 （1942年～1943年 / 昭和17年～18年の製造品）

顕微鏡は大型で重量があります。
高さ約 36.5 cm、幅 17.0（ステージ）cm、奥行き 19.8 cm
重さ 6.65 kg

接眼レンズ（3本）
5倍、7倍、10倍、15倍

対物レンズ（4本、千代田顕微鏡ロゴの専用ケース付き）
10倍、20倍、40倍、90倍（油浸）

顕微鏡はクリーニング済の状態です。
接眼レンズや対物レンズ、ケースは全て千代田顕微鏡の純正品です。
試料ステージの下には開口数1.4のアプラナート*アッベコンデンサー（画像８枚目を参照、黄色い矢印）があります。
駆動系の動作（鏡筒の上下動、メカニカルステージ、コンデンサーの上下動、絞り開閉）は正常に動作します。ラック&ピニオンギヤに損傷はありません。（画像５枚目を参照）
絞りにはブルーフィルターがあります。（画像９枚目を参照）
鏡はコンケーブ側とプレーン側共に良い状態を保っています。（画像11枚目を参照）
顕微鏡の保管ケースは鍵（２本）付きです。

*アプラナート（Aplanat ）とは、光学系の収差補正状況を示す言葉の一つで、球面収差とコマ収差を解消していることを言います。

【標本観察画像（画像13～17枚目を参照）】
接眼レンズ 10倍と対物レンズ 10倍、20倍、40倍、90倍（油浸）を使用
十二指腸（人）H&E染色：
100倍、200倍、400倍、900倍
対物レンズの状態はどれも良好です。

千代田顕微鏡の対物レンズについて：
特に 40倍の対物レンズは、開発された当時「従来の国産レンズと比べて格段に優秀である」と東大病理学教室から高い評価を得る出来栄えでした。
今日でも 40倍の対物レンズの像はくっきりと見えます。千代田顕微鏡のお勧めのレンズです。

【顕微鏡はケース付きで美品の状態を保っています。私は複数のMKA型およびA型を所有していますが、千代田顕微鏡の 90倍の油浸対物レンズには50%の割合で劣化したものが見受けられます。顕微鏡はきちんと見えることを確かめることが大切です。】