「蒟醤」の技法で複雑な模様を描き出した昭和3~40年代の香川漆器の花入です。
外寸 高・約21.5cm 径・約7.0cm
中筒 高・約11.5cm 径・約5.0cm
共箱は過去に処分したため付属しませんが、共箱より「直斎」の作であることは判明しております(なお漆器の場合作品自体に銘を切ることは稀で、作家作品であっても昭和中期あたりまでは作品には銘がないことが多く、したがいまして本品も無銘です)。
花入として使用することはなく長年に渡り違い棚に飾っていただけのお品ですので目立ったキズや汚れはなく、漆のテリも鮮やかで全体としては非常に健全な状態ですが、一点、底部の縁に数ヶ所漆が剥がれないしは薄くなりテリが鈍い部分がございます(掲載はしておりますが、画像を通じてはよく分からないレベルだろうと思われます)。
また「中筒」は最近のお品と異なり、銅板をハンダで接着するという古風な方法で製作されており、経年による錆や変色が認められます。