野田公義氏は中出六太郎氏の高弟で、中出一門の重鎮です。月に4〜5本とギターの製作本数が少なく東京でしか販売されなかったため、見かける事が少ない貴重なギターです。また、野田氏の作品に接するギター愛好家は、誰もがその素晴らしさに感動し、野田ギターがあまり世に知られていないのが不思議だと感じます。
出品のギターは1978年の製作で、野田氏が六太郎師匠から独立して間もない頃に製作したギターです。1970年代ラベルの作品で、1980年以降の新しいラベルのギターでは、スタンダードタイプ1000〜1200に相当すると思われます。
また、1980年からラベルの模様が新しくなり、製作されるギターのタイプ4種類になったようです。1000〜1200スタンダード、1500〜2000コンサート、3000〜4000プロフェッサー、5000DXプロが製作され、プロフェッサー以上は受注製作されたようです。
出品のギター材料のトップは、杢目の詰まったスプルース単板、サイドとバックは柾目の美しい濃茶のローズウッド単板、ネックは硬く締まったマホガニー、指板は漆黒のエボニー、ブリッジは濃茶の柾目のローズウッドのようです。また、華麗で奥行きがあり深い味わいのある音色が響きます。製作から47年が経過していますが、キズや打痕は少なく、比較的良いコンディションです。また、試奏用の弦が張ってありますのですぐに試奏していただけます。
野田氏は常々ご自身の製作における信条としてこのように語っています。
「材料の吟味から始まる音との闘争。何時になっても結論につきることを知らない。素材によって長さ、高さ、厚さ、それぞれ仕上げ方が違ってくる。耳かき一杯の削り粉、紙一枚ほどのカンナの削り方で音が違ってくる。音の距離は近くて遠い。今日も頑張る。」
ギター愛好家の皆さまには、製作が少なく貴重となった1978年製作の野田公義1000Eギターをどうぞよろしくお願いします。
全長:99.5センチ
弦長:65センチ
弦高:約3.8ミリ 12フレット1弦
約4.2ミリ 6弦
ナット幅:約5.2センチ
ボディ厚:約9.8センチ
中古ハードケース付
ハードケースにプチプチを巻いて梱包します。
安全にお届けします。