黒檀リングの修理がしてありますが、恐らくアンティーク仕上げの一環です。
(年月を経てボタン部分がすり減った時に、ネック根元の接着面積を増やすためにする修理ですが、そこまで古くは無いです。)
しかし加工が難しい黒檀をピッタリと接着するには時間と、高い技術を要します。よって高額な修理になる訳ですが、それを新作の楽器に施すとは相当に凝ってるなぁ、という印象です。
ハンドメイドを謳う工房でもここまでやるのは極めて稀です。もしあってもやっつけ仕事感全開のものが多いです。(まぁ古い楽器の雰囲気を出すには多少雑の方が良いのかもしれませんが。。。)
表板もかなり削ってあり、2mm程度です。現代は3.0~3.5が基準ですので、かなり丁寧に削り込まれています。
ブランドではなく、手の込んでいるものがよいもので、それ故に値段が張る、という至極真っ当な考えに基づいた、ドイツらしい作風、心意気が感じられます。
ヴァイオリン本体はフランツ・ザンドナーのラベルで、旧ラインナップにこれかなぁというのがありました。
(以下、海外ショップの紹介です。)
Model 66A "Virtuoso" Antique Violin
Elegant Stradivarius reproduction, crafted from select tonewoods. Strongly flamed European maple back, with matching ribs and neck and select, well seasoned, hand split Bavarian spruce tops. Antique is tastefully rendered to give the patina of an aged instrument.
定価は5600ドルです。80万円くらいですが、当時はもっと円高でしょうし、もう少し安く70万位だったと思えば、まぁ気合いの入ったマイスター作品として普通、もしくはやや安いくらいではないでしょうか。
正確な素性は知れませんが、とてもよく鳴る楽器です。
いかがでしょうか。