※正常稼働ですが、動作時間は計測していません
■キズ汚れ程度
風防:中(盤面汚れあり)
裏蓋:綺麗
ベゼル:小
ベルト:新品社外品
コマ:
カレンダー:曜日早送り可能・日早送り不可
キングセイコー 5626-7110 の歴史と魅力
1. 系列とムーブメント構成
56KSシリーズ精度重視モデル:5626-7110は、1968年から1975年にかけて製造されたキングセイコーの“56KS”シリーズに属し、Suwa Seikosha 製の自動巻ムーブメント(Cal.5626A)を搭載。28,800振動/時というハイビート仕様により高い精度と滑らかな秒針の動きを実現しました。
デイデイト表示と実用性:曜日と日付のクイックセット機能やハック機能(秒針規制)を備え、日常使いにも優れた機能性を有しています。
2. デザイン美学:Grammar of Design を体現
洗練された平面と鋭いエッジ:田中伊三郎(Taro Tanaka)による「Grammar of Design」の設計哲学が反映されたケースデザイン。フラットな面構成と緩やかな斜面、ミラー仕上げによるシャープな輝きが特徴です。
進化したケースとインデックス:1971年の登場時に、それ以前の5626-7000と比較してラグがシャープに、文字盤のインデックスが細く洗練されたものへと変わっています。また、モノブロックケース構造(前面から開けるデザイン)で強固な構造を実現。裏蓋には金色の盾型メダリオンが用いられる初期型も存在しました。
3. 製造時期と位置づけ
製造期間:1971年から1972年前後が主な製造時期とされています。生産期間は短いながら、その完成度から「キングセイコーの代表作」として位置づけられます。
ブランド戦略上の位置づけ:キングセイコーはグランドセイコーに次ぐ高級ラインとして構想され、56KSシリーズはその信頼性と技術力を象徴するモデル群でした。5626-7110もその中核として作られています。
4. コレクター間での人気と相場
中古市場での取引例:WatchCharts によると、2025年8月現在の市場価格推定は約 394 USD(約5万円台後半)です。
リスクスコア:価格の変動リスクは高め(リスクスコア 62/100)とされ、短期的な価値保全には慎重な判断が必要です。
まとめ:5626-7110 の魅力ポイント
項目 内容
ムーブメント Cal.5626A(自動巻・ハイビート28,800振動/時、ハック機能、デイデイト)
デザイン美学 Grammar of Design 採用、鋭角ラグ、精緻な面加工
製造期間 1971〜1972年頃
コレクター人気 美学・技術・希少性のバランスで高評価、相場は400 USD前後
市場動向 高い人気だが価格変動リスクあり
この キングセイコー 5626-7110 は、セイコー自らが描いた“最後の王道”ともいえる、自動巻キングセイコーの美学と技術を集約したモデルです。コレクション性のみならず、デザインと実用美の両方を兼ね備えた逸品として価値があります